地震その1
2011年 03月 17日
3月11日。
午前中に、お客さんのところへオーダー品をお届け。
翌日は午前中モールのお手伝いで、午後からクーリエさんに納品の予定。
品薄になっているというブックカバーは全部完成しているので、午後から、リクエストいただいていたうさくまの製作に入る。
革を選んで型紙をおいてけがき、カットしはじめる。
半分までカットした時。
ここ最近頻発している『ぬるぬる』という感じの横揺れが始まる。しかも大きい。
とっさに作業台の横の資材置き用の棚を押さえる。
揺れがどんどん大きくなる。
少し揺れが安定した時、「とうとう来たな・・・・。」と思った。
その瞬間大きく床がスライドした。なぜか、もっと大きくなると直感。
『ドカン』という感じで爆発的な揺れが。
身動きが取れないまま棚を押さえ続ける。棚の上のデスクランプが飛び跳ねている。
なかなか揺れがおさまらない。とてつもなく長く感じる。
後ろを見ると食器棚のガラス戸がバタバタ言っている。
その向こうのPCのデスクの上に携帯がある。
天井の電気がチカチカついたり消えたりしている。デスクランプも踊りながらついたり消えたり。
少し揺れが収まってきたと感じたので、携帯を取りに行こうと棚から手を放すと、また揺れが大きくなった。また棚を押さえる。押さえながら作業台の下にもぐった方がいいんだろうか・・・と考える。
とにかく揺れが長い。棚を押さえるのがしんどくなってくる。
「え~・・まだですかあ~・・・!」
思わず地震に向かって言っていた(^_^;)。
「キャー」とか「わー」とかいう言葉は出ない。だって、なんだか地震が来るのは分かっていたから・・・。むしろこれでようやく「宮城県沖地震」が来たので、あとは大丈夫みたいな。
揺れが緩くなったので、携帯に飛びつく。
そうこうしているうちにもずっと揺れていて、大きくなったり小さくなったりを繰り返す。
PCのか弱いパイプデスクの下にもぐって夫に電話をするも、すでに繋がらず。
TVのスイッチをいれてみるが、当然のごとくつかない。なのに、気が動転していて、コンセントを確かめたりしていた。
食器棚は倒れていない。その上においていたガラス器類が床の上の色々なモノの中で割れて飛び散っている。食器棚から飛び出した食器や、コーヒーの粉、倒れた観葉植物とその土、娘の教科書や参考書、CD、本・・・・。
金魚の水槽の脇に大穴が開いて、水がほとんど残っていない中に金魚が一匹だけいる。もう一匹は流れ出てしまったらしい。金魚を救いたいけど、とにかくずっと揺れているので、危なくて仕方ない。
作業場(玄関)に回ると、内玄関の脇に立てかけていた5枚ほどのスノーボードが全部倒れて玄関前を埋め尽くしている。揺れの収まらない中、それをどけて玄関戸をこじ開ける。玄関の外には自転車が倒れていて、戸が開かない。ぐいぐい力づくでとりあえず通れるくらいの隙間をつくり、外に飛び出す。
近所の人たちがみんな道路に出て呆然としている。向かいのおばちゃんはもも(パグ犬)を抱えたまま裸足で道路の真ん中に座り込んでいる。
古い家々の昔ながらの瓦屋根はあちこち崩れており、地面に破片が散らばっている。
天気が良かったので、外の犬小屋につないでいたユキの様子を見ると、犬小屋の中で固まっている。近づくとすごい勢いで飛び出してきて、よじ登ろうとする。抱き上げても落ち着かず、体がぶるぶる震えているのが分かる。
とにかくずっと揺れている。何度も揺れるというよりは、ず~っと揺れていて、その揺れが大きくなったり小さくなったりしている。
裏のおじいちゃんが布団を頭からかぶって、ヘルパーさんといっしょに縁側に座り込んでいる。
近くで工事をしていたユアテックのおじさんが見回りながら声を掛けてくれた。
近所のおじさんが帰ってきた。向かいのおばちゃんと斜め向かいのおばあちゃんはまだ道路の真ん中で座り込んでいて、揺れが大きくなるたびに悲鳴を上げている。
携帯はつながらない。学校はどうしたろう。もちろん緊急連絡なんか来ない。迎えに行かなくちゃ。でも、学校にいた方が安全なんじゃないだろうか・・・・。
少し空が曇ってきたので、ユキを連れて娘を迎えに行く。降ってくる前に帰ってきたい。
学校への道すがら、家々を見たけれど、屋根瓦がいっちゃってる家があるくらいで、ひどい損壊は見られない。
娘は体育館で卒業式の練習(小5なので在校生として)中だったそうだ。上履きで上着もないまま校庭で待機していて、私が着いたときはまた体育館に戻る途中だった。ランドセルも靴も上着も学校に置いたまま急いで帰宅する。
帰宅したら、おばちゃんたちはまだ道路の真ん中にいた。
揺れはずいぶん収まってきた。娘にユキを預けて、金魚の救出にあたる。バケツに水を入れ、水槽に残っていた水と金魚を入れる。もう一匹は水槽の下のリネン類を入れていたプラケースの中に。もうだめだと思いながら水に戻すと、なんと二匹とも復活!!!伊達に7年も生きているデカ金魚じゃないね。生命力に圧倒。
いつから鳴っているのか分からないけど、サイレンの音が鳴っている。
緊迫した男性の声の広報車が名取川の手前のバス通りを走っている。
「津波が来ます!避難してください!津波です!!!!」
念のため娘とユキを二階に上げ、室内の植木鉢やなんかを片づけて、空間を作る。
ほどなく雪が降り出す。
斜め向かいのおばあちゃんは息子さんが帰ってきたので、何とか屋内に。
向かいのおばちゃんは怖くて家に入れない。内に入るように勧めるが、遠慮して入らない。それなら車に乗るように言って、乗り込ませるのだが、じっとしていられないようで出たり入ったり。雪で濡れるし、私も寒くなってきたのでひとまず室内に。
雪のせいで周りが暗い。弱いながらも揺れは続いている。
室内にラジオはない。携帯もだめだし、再度車に戻ってラジオをつける。
おばちゃんはもも(パグ犬)を車においたまま、お家で夭逝した娘さんの位牌を掘り出していた。
ラジオで何を言っていたのかは覚えていない。
津波の事を言っていたかもしれない。
夫が釣り具の卸の仕事で、よく石巻・女川方面に営業に行くので、それがとても心配だった。
いつの間にか雪はやんでいた。向かいのおばちゃんのちのおんちゃんが帰ってきて、おばちゃんともも(パグ犬)は車を出て家に入った。娘がユキをつれて車に来て、一緒にラジオを聴く。
何人か知らないおじさんが家の前の道を見回っていった。
娘が「あ、こんどは自転車のへんなおんちゃんが来た。」と言った。そのおんちゃんはどんどん近づいてきて、よく見ると夫だった。
今日はたまたま街中のお店への営業だったそうで、沿岸部には行っていなかったそうだ。
すぐに渋滞がひどくなったので、職場から自転車を借りて帰ってきたそうだ。
名取川がかなり上の方まで水が逆流して大変だという。
ちっとも実感がなかった。
すぐ近くの中学校へ避難する人たちが歩いていた。
続きはまた・・・・
革雑貨JINJAでした。
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午前中に、お客さんのところへオーダー品をお届け。
翌日は午前中モールのお手伝いで、午後からクーリエさんに納品の予定。
品薄になっているというブックカバーは全部完成しているので、午後から、リクエストいただいていたうさくまの製作に入る。
革を選んで型紙をおいてけがき、カットしはじめる。
半分までカットした時。
ここ最近頻発している『ぬるぬる』という感じの横揺れが始まる。しかも大きい。
とっさに作業台の横の資材置き用の棚を押さえる。
揺れがどんどん大きくなる。
少し揺れが安定した時、「とうとう来たな・・・・。」と思った。
その瞬間大きく床がスライドした。なぜか、もっと大きくなると直感。
『ドカン』という感じで爆発的な揺れが。
身動きが取れないまま棚を押さえ続ける。棚の上のデスクランプが飛び跳ねている。
なかなか揺れがおさまらない。とてつもなく長く感じる。
後ろを見ると食器棚のガラス戸がバタバタ言っている。
その向こうのPCのデスクの上に携帯がある。
天井の電気がチカチカついたり消えたりしている。デスクランプも踊りながらついたり消えたり。
少し揺れが収まってきたと感じたので、携帯を取りに行こうと棚から手を放すと、また揺れが大きくなった。また棚を押さえる。押さえながら作業台の下にもぐった方がいいんだろうか・・・と考える。
とにかく揺れが長い。棚を押さえるのがしんどくなってくる。
「え~・・まだですかあ~・・・!」
思わず地震に向かって言っていた(^_^;)。
「キャー」とか「わー」とかいう言葉は出ない。だって、なんだか地震が来るのは分かっていたから・・・。むしろこれでようやく「宮城県沖地震」が来たので、あとは大丈夫みたいな。
揺れが緩くなったので、携帯に飛びつく。
そうこうしているうちにもずっと揺れていて、大きくなったり小さくなったりを繰り返す。
PCのか弱いパイプデスクの下にもぐって夫に電話をするも、すでに繋がらず。
TVのスイッチをいれてみるが、当然のごとくつかない。なのに、気が動転していて、コンセントを確かめたりしていた。
食器棚は倒れていない。その上においていたガラス器類が床の上の色々なモノの中で割れて飛び散っている。食器棚から飛び出した食器や、コーヒーの粉、倒れた観葉植物とその土、娘の教科書や参考書、CD、本・・・・。
金魚の水槽の脇に大穴が開いて、水がほとんど残っていない中に金魚が一匹だけいる。もう一匹は流れ出てしまったらしい。金魚を救いたいけど、とにかくずっと揺れているので、危なくて仕方ない。
作業場(玄関)に回ると、内玄関の脇に立てかけていた5枚ほどのスノーボードが全部倒れて玄関前を埋め尽くしている。揺れの収まらない中、それをどけて玄関戸をこじ開ける。玄関の外には自転車が倒れていて、戸が開かない。ぐいぐい力づくでとりあえず通れるくらいの隙間をつくり、外に飛び出す。
近所の人たちがみんな道路に出て呆然としている。向かいのおばちゃんはもも(パグ犬)を抱えたまま裸足で道路の真ん中に座り込んでいる。
古い家々の昔ながらの瓦屋根はあちこち崩れており、地面に破片が散らばっている。
天気が良かったので、外の犬小屋につないでいたユキの様子を見ると、犬小屋の中で固まっている。近づくとすごい勢いで飛び出してきて、よじ登ろうとする。抱き上げても落ち着かず、体がぶるぶる震えているのが分かる。
とにかくずっと揺れている。何度も揺れるというよりは、ず~っと揺れていて、その揺れが大きくなったり小さくなったりしている。
裏のおじいちゃんが布団を頭からかぶって、ヘルパーさんといっしょに縁側に座り込んでいる。
近くで工事をしていたユアテックのおじさんが見回りながら声を掛けてくれた。
近所のおじさんが帰ってきた。向かいのおばちゃんと斜め向かいのおばあちゃんはまだ道路の真ん中で座り込んでいて、揺れが大きくなるたびに悲鳴を上げている。
携帯はつながらない。学校はどうしたろう。もちろん緊急連絡なんか来ない。迎えに行かなくちゃ。でも、学校にいた方が安全なんじゃないだろうか・・・・。
少し空が曇ってきたので、ユキを連れて娘を迎えに行く。降ってくる前に帰ってきたい。
学校への道すがら、家々を見たけれど、屋根瓦がいっちゃってる家があるくらいで、ひどい損壊は見られない。
娘は体育館で卒業式の練習(小5なので在校生として)中だったそうだ。上履きで上着もないまま校庭で待機していて、私が着いたときはまた体育館に戻る途中だった。ランドセルも靴も上着も学校に置いたまま急いで帰宅する。
帰宅したら、おばちゃんたちはまだ道路の真ん中にいた。
揺れはずいぶん収まってきた。娘にユキを預けて、金魚の救出にあたる。バケツに水を入れ、水槽に残っていた水と金魚を入れる。もう一匹は水槽の下のリネン類を入れていたプラケースの中に。もうだめだと思いながら水に戻すと、なんと二匹とも復活!!!伊達に7年も生きているデカ金魚じゃないね。生命力に圧倒。
いつから鳴っているのか分からないけど、サイレンの音が鳴っている。
緊迫した男性の声の広報車が名取川の手前のバス通りを走っている。
「津波が来ます!避難してください!津波です!!!!」
念のため娘とユキを二階に上げ、室内の植木鉢やなんかを片づけて、空間を作る。
ほどなく雪が降り出す。
斜め向かいのおばあちゃんは息子さんが帰ってきたので、何とか屋内に。
向かいのおばちゃんは怖くて家に入れない。内に入るように勧めるが、遠慮して入らない。それなら車に乗るように言って、乗り込ませるのだが、じっとしていられないようで出たり入ったり。雪で濡れるし、私も寒くなってきたのでひとまず室内に。
雪のせいで周りが暗い。弱いながらも揺れは続いている。
室内にラジオはない。携帯もだめだし、再度車に戻ってラジオをつける。
おばちゃんはもも(パグ犬)を車においたまま、お家で夭逝した娘さんの位牌を掘り出していた。
ラジオで何を言っていたのかは覚えていない。
津波の事を言っていたかもしれない。
夫が釣り具の卸の仕事で、よく石巻・女川方面に営業に行くので、それがとても心配だった。
いつの間にか雪はやんでいた。向かいのおばちゃんのちのおんちゃんが帰ってきて、おばちゃんともも(パグ犬)は車を出て家に入った。娘がユキをつれて車に来て、一緒にラジオを聴く。
何人か知らないおじさんが家の前の道を見回っていった。
娘が「あ、こんどは自転車のへんなおんちゃんが来た。」と言った。そのおんちゃんはどんどん近づいてきて、よく見ると夫だった。
今日はたまたま街中のお店への営業だったそうで、沿岸部には行っていなかったそうだ。
すぐに渋滞がひどくなったので、職場から自転車を借りて帰ってきたそうだ。
名取川がかなり上の方まで水が逆流して大変だという。
ちっとも実感がなかった。
すぐ近くの中学校へ避難する人たちが歩いていた。
続きはまた・・・・
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by jinja-leather
| 2011-03-17 22:43
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